2010年12月4日土曜日

パリ出張 その2

商談会の合間を使って、ベルサイユ宮殿へ。
ルイ14世の絢爛豪華な建物を鑑賞しようと期待していくと、そこには異様な物体が…。
中に入るとすべての部屋に異様な物体があり、更にはこんなものが…。
続いてこんなやつが次々と現われる。

いったい、これは何なんだ? と思って確認すると、以下のような記事があった。

【パリ=山口昌子】フランスの「ベルサイユ防衛調整会(CDV)」は15日、声明を発表し、CDVと「仏全国作家連合」が11日付けで天皇陛下、菅直人首相、日本国民宛にベルサイユ宮殿で開催中の現代美術家、村上隆氏の作品展中止の「公的支援」を訴える書簡を送ったことを明らかにした。
書簡は、「150年来、フランスと日本は友好条約で結ばれている」としたうえで、パリ郊外のベルサイユ宮殿内で9月14日から開催中の村上隆氏の作品展が「われわれの国家的遺産の象徴を滑稽化している」と指摘、展覧会の「即刻中止」を訴えている。
作品展に関しては、宮殿を建設したルイ14世の子孫のシクストアンリ・ドブルボン公爵が10月中旬、「祖先と宮殿の尊厳を守るために」中止を求める仮処分をベルサイユの行政裁判所に申請することを明らかにした。
ベルサイユ宮殿では2008年から毎年、現代美術かの作品展を開催しているが、初回の米美術家ジェフ・クーンズ氏の作品展では公爵の甥が中止を求めて同裁判所に訴えたが、却下された経緯がある。


そういえば日本でもニュースを見たような気がする。日本では否定的な報道が多かったようだが、こちらではどうなのだろうか。
フランス在住十数年の日本人に尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「こちらの人はほとんど気にしていませんね。あれはあれでかわいいじゃんってなもんですよ。前にはもっと過激な芸術の展示もあったし、ね。それにルイ14世の子孫が仮処分を申請するのはおかしいよ。だって、あの宮殿はあなたたちのものではないもんね。けれど、一番気になるのは日本の報道ですよ。大変な問題になっているような一方的な見方をどのマスコミでも言っているでしょ。バランスが全く取れていないんだよね。こちらの方が大問題だよね。ある意味、こわい」

傾聴に値する意見だったが、わしのように初めてベルサイユに訪れた人間からすると、やはりこの展示には少々問題ありだ。
何しろ、思い起こしてもベルサイユの記憶=村上隆のオブジェになっているのだ。
わしの記憶を返してくれと言いたい気分だ。



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