2014年7月12日土曜日

安生正著「生存者ゼロ」

活字中毒のわしにとって読む本がなくなるほど恐ろしいことはない。この不安から1泊2日程度の出張でも数冊の本は必須のものとなる。したがって、荷物の重いのなんの! おかげで出張から帰ると腕も肩もパンパン、疲労困憊ということになってしまう。
万が一出張先で本が切れてしまうとどうなるか? 禁断症状が出る前に新たな本を手当てしなければならないが、これが何でも良いというものではない。何しろ平均余命は32.92年しかないのだ。しょうもない本を読んでこの貴重な時間を無駄にしてしまうのは怖い。選ぶのは慎重にしなければならないが、出張中では選ぶ時間が限られていることも多い。
先日の品川駅がそうであった。時間がない中、改札を通った後にある狭いスペースの書店の極めて少ない本からピンポイントで当たりの本を探さなければならない。

迷っている余裕はない。
悩んでいる時間もない。
そして手にした本がこれである。

これが実に面白い本であった。あまりの面白さに福山駅で下車しそびれたくらいである。
この「生存者ゼロ」というタイトルが良い。
このおかげでこの本を手に取ることができたのだ。ありが豆である。
何ゆえに生存者がゼロであるかはネタバレになるので書けないが、単なるパンデミックものでなかったところが俊逸であった。
他の作品にも期待がもてる。

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