2010年11月2日火曜日

吉澤大「社長の時間の使い方」 再読

このように、「人件費」「支払家賃」「支払利息」は、三つが相互に関連しながらスパイラル状に増えていくのです。
その結果、気がついたときには「それほど高くない」と思っていた固定費がいつの間にか予想をはるかに超えたものになっていて愕然とするわけです。

フリーキャッシュフローの数値を知りたいだけであれば、私が考案した次の算式で、誰もが簡単に計算できます。
現預金の増減-銀行借入金の増減

(会社の現預金の増減-銀行借入金の増減)+社長への役員報酬等支払額

「インフラ」のできあがったビジネスのなかで「他人ではなく自分を選んでもらう」しくみを考えることのほうが、中小企業の社長が時間効率よく稼ぐためには先決なのです。

人脈形成のために飲み会に参加しても、一定時間以上になると「時間当たりの成果」は小さくなってしまいます。
ですから、毎回夜中まで飲み会に付き合うのではなく、場合によっては「一次会のみに参加する」など適当なところで切り上げることが時間効率上は得策なのです。

また、社長が従業員との懇親会に最後までいてもあまりよいことはありません。最初の一時間だけ参加して、あとはおカネだけ置いて帰るのが、社長の時間効率だけでなく、従業員にとってもありがたい参加の仕方なのではありませんか。

各業界の情報を収集するには、「業界紙を一気に読む」ことが時間効率のよい方法です。

もし、社長が採算度外視で取り組みたい仕事や、仕事以外の自己実現を果たしたいのであれば、まずは、そのための時間を先に確保しなくてはなりません。そして、残りの時間で「いかに効率よく仕事を進めるか」を考える必要があるのです。
つまり、答えは、「制約を設ける」ということです。
そのためには、プライオリティ=優先順位をはっきりさせるということです。
このプライオリティを明らかにするための有効な手段があります。それは、「できるだけ多くのデッドライン(締切り)を引く」ことです。
デッドラインそのものがスピードアップにつながるのです。

時間制約のない状態で仕事をすると、「お客様に喜んでもらうレポートを書く」ための努力だったはずが、いつしか「どうだ、俺ってこんなにすごいことを知っているんだぜ」という自己満足に変わっていたことがよくありました。
ですから、顧客の要望についてきちんと優先順位をつけることが大切なのです。そして、「作業時間内でどこまで顧客の要望を満足させられるか」を考える必要があります。

グーグルカレンダーを埋めてみて気がつくのは、相手先の都合で三〇分程度の時間が空いてしまうことが多い点です。
そこで、私はあえて、「お礼のメールを出す」など「一五分でできる仕事」をTODOリストに並べることにしました。


(感想)すべて当たり前のことであるが、何となく「バタバタしているなあ」というときには、以上のことが曖昧になっていることがある。戒めなければならぬ。

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