2009年1月11日日曜日

あばらの痛み

あばら骨の骨折というのは固定しようがないため、結構長いこと痛みがあるらしい。ましてや、骨折直後についてはあばらの痛みではつらい思いをした。少し体を動かしただけで刺すような痛みがあるのだ。特に寝起きする時には注意が必要だ。もちろん病室のベッドは電動なのだが、この角度の調整が難しい。完全にフラットにすると胸が圧迫されるせいか、かなりの痛みが襲ってくる。そのため、角度を2°刻み(これがベッドの精度なのだ)で調整していくのだが12°まではOKだが、10°で激痛などということが起こる。ならばというので、少し体を横向き加減にしたうえで14°、いやいやあまり傾け過ぎると寝ている間に体が滑るので12°、10°、これはいけるぞ、もう少し8°でどうだ…痛い。というように寝るにも大体30分は良いポジションを探すことが必要だ。しかし、本当に大変なのは起きる方だ。不用意にベッドを起こしてしまうと悶絶級の痛みが走ることがある。10°起こしては一休み、また10°進んだら一休みと慎重には慎重を期す必要があるのだ。にも関わらず、最後の2°で激痛が来ることもあるから油断はできない。時には激痛のさなか、角度を下げても痛い、上げても痛いという状況に追い込まれ、痛みでうんうん言いながらもどちらにもいけずに進退窮まったりすることもある。傍から見れば「何やってるの?」ってなもんだろうが、本人は真剣なのだ。かくのごとく、毎日の寝起きはスリリングな時間なのである。
そんなわけなので横たわって撮るレントゲンやCTスキャンなどは大変な問題だ。それこそ、横たわるにも起き上がるにもナメクジの歩みのような速度で体を動かしていかなければならぬ。手助けしてもらうと、余計に痛かったりするからこれは全て自分で解決しなければならない問題だ。
生まれてこのかた、このような微細なレベルで体をコントロールしたことはない。何しろ体内のあばらの一本一本に意識をやるのだ。この微細な感覚をアレにも応用できたらより深いレベルでの楽しみが味わえるとも思うが、それは怪我を治してからのテーマであろう。

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